夕方、三歳くらいの女の子とその父親が歩いていた。
幼稚園の帰りか、父と娘は軽やかな足取りだった。
マスクを落とした。父も子も気づかない。オレ、それを見ていた。
ニャンコをデザインした、可愛いいマスクだ。オレ、それを拾って
父と娘を追いかけた。声もかけずに追いかけた。手渡ししようと思って・・・
二人は角を曲がった。追跡するオレ。見失ってしまった。渡せなかった・
小学生が自転車に乗って走ってきた。オレ、その子に事情を話した。
「このマスクを、返したいんだけど・・・・」
「〇〇ちゃんの妹だわ、わたしが返してあげる」と言ってくれた。
渡したマスクをもって、自転車で走っていった。
「おじさーん、渡してきたよ」
「ありがとう」
ビューンと、自転車を飛ばして、彼女は走り去った。
小学生と連携して、チョビッと、いい事をしたような気がした。